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「複数プール運営」について聞かれたときにCOFFEが話すこと

「ステークプールの複数運営について、どう思いますか?」
プール運営をしていく中で、たびたびこのような質問をいただくことがあります。

CoffeePoolは、ルールやシガラミが苦手なフリーランス編集者が運営する小さなプールなので、基本的には「皆さん、自由に運営されると良いかと思います」とお答えしています。

しかし、ステークプールのあり方と言うのは今後も継続的な議論が続いていく話題だと思いますので、本記事で「複数運営の議論の整理」を試みたいと思います。

*本記事の狙いは、あくまで議論の整理であり、他のプールの運営方針に対する意見ではありません。また、CoffeePoolにおいてもこの問題の結論を出すことを意図していません。

「プールの複数運営」とは?

「ステークプールの複数運営」とは、1人(または同一グループの)オペレーターが、複数のステークプールを運営することを指します。
CoffeePool☕️であれば、COFFE1、COFFE2といったように、2つ以上のプールを運営するようなイメージです(写真は「1percent pool)。
カルダノのステーキングでは「委任量が飽和点(saturation)に達した場合に報酬量が減少する」というペナルティがあるため、委任量が飽和点に近づいたプールの多くは「COFFE2」などの新規プールを設置して、そちらに委任をお願いすることで飽和状態になることを防いでいます。

複数プールの運営のメリットとは?

1人のオペレーターが複数のプールを運営することで、プールオペレーターと委任者は、下記のメリットを得ることができます。

【複数プール運営側のメリット】
固定費「₳340×運営プール」分の収入増加
・努力の結果が収入に反映されるため、モチベーションの維持や向上に繋がる
・プール運営の高いモチベーションが、安定した運営に繋がる
・支持してくれた委任者へのニーズに答えることができる

【委任者側のメリット】
・信頼するプールが飽和しても委任を継続できる
・第二希望、第三希望のプールを剪定する時間的・経済的リスクを軽減できる

まとめると「運営側は収入UPによりモチベーションが向上し、委任側は高いモチベーションで活動するプールへ継続委任ができる」というメリットがあります。
2つ以上のプールを設立し、安定した稼働を行うには1つのプールを運営する以上のマーケティングや運営コスト、作業コストがかかります。
固定費などによる収益が見込めることで、より活発な情報配信や安定運営に還元する可能性が高まります。

以上の観点を考慮すると、プールの複数運営はプールオペレーターと委任者両方にメリットがあると考えることができます。

複数プールの運営の問題点とは?

「複数プール運営についてどう思いますか?」という質問が出る大きな理由としては、カルダノの分散化を阻害するという要素があるためです。

ビットコインのマイニングプールの内訳(https://www.buybitcoinworldwide.com/mining/pools/)

ビットコインの場合、少数の少ないマイニングプールがトランザクションを独占することで、分散化が阻害され権力の集中化が起きているという問題があります。
カルダノの場合、このような「少数プールによるトランザクションの支配」が発生しないように、各プールに「飽和点」を設定し、さまざまなプールに委任が集まることで分散化を促進するように設計されています。

その一方で、複数プールの運営におけるメリットが優先され、実際には影響力の強い一部のプールに委任が集中する事態が起きており、一部のSPOたちが問題視しています。

現在のカルダノでは、ビットコインほどの偏りはないものの、一部のプールが大きなグループを形成している状況があり、複数プール運営に対して懐疑的なプールも存在しています。

複数プールを抑える「Pledge」の役割と問題点

IOGは分散化を促進するために、複数プールの大量増加を抑えるため、ステークプール運営に対して「Pledge(誓約金)」を設定しています。

Pledgeは、運営しているプールのアドレスに入金したADA金額によって設定される値です。プール運営者がプールアドレスに入金し、Pledge金額を宣言することで有効となります。
設計上では、このPledge金額が多いほど委任報酬が高くなるとされています。
つまり、「資金を複数プールに分割するより、一点集中した方がメリットが高い」という状況を作り出すことで、複数プールの増殖を抑えようというものです。

しかし現状ではPledgeの設定には非常に微量で、「いくらPledgeしても、大きなメリットがない」という状況となっており、プールの増殖を抑える要素として機能していないという意見が圧倒的多数となっています。

CrownsStakepoolの情報によると、誓約金パラメータa0=8の場合の委任量の差は、次のようになっているようです。


【Pledge量と委任報酬の比較:₳100kを委任した場合】

10k pledge 2% feeのプール  → 年間661.42 ADA
1M pledge 2% fee のプール  → 年間662.05 ADA
年間で0.63ADAしか差が出ない

つまり現状では、Pledge金額に大きな差があったとしても、誤差レベルの違いしか発生しないという見方が多く、1つのプールに運営者の資金を集中するメリットがほぼゼロという状況となっています。
こうした批判を受け、IOGでは2020年3月のブログで「出資の変更について議論を重ねる」と表明し、変更に向けた調査が始まっていますが、変更は当面先になるとの見方が有力です。

以上のことから、1つのプールにこだわるメリットより、複数プールを運営するメリットの方が大きいという状況となっています。
このような状況から、努力の恩恵として「可能であれば複数プールを設立する」判断を行う流れが主流になりつつあります。

プール運営と分散化のジレンマ

一般的に、ステークプールの立ち上げを行う際、オペレーターには2つの大きなモチベーションがあります。

①カルダノの分散化に貢献したい
②収益を上げて資産増加をはかりたい

CoffeePoolでは、カルダノの健全な発展のためには、①と②を同時に叶える必要があると考えます。

①「分散化に貢献する」ためだけでは、努力が続きません。
ステークプールの運営には、サーバーコストや技術習得コスト、そして情報配信などの時間的コストなどの負担がかかります。特に、ブロック生成が増えてくると1エポックに生成するブロック数も増え、より頻繁にサーバー監視を行う必要があったり、アップデートなどのメンテナンスの際はスケジュールにも気をつける必要があります。
これらのコストを考えたとき、頑張った分の褒美(=リワード)がなければ、よほどのマニア出なければ参加することはありません。
最終的に「マニアだけのプール運営」となり、SPOのダイバーシティが失われてしまいます。

②「収益を上げたい」だけでは、集中化が起きます。
現状の問題では、収益を上げたいというニーズを満たす手段として「複数プールの運営」を選択するプールが増えています。現在のプール固定費₳340で、1エポックで1つブロックを生成するだけで毎月24万円近くの報酬となります。
その結果、毎エポックで1ブロックを生成できる委任量(8M程度)が確定したプールでは、委任量を拡大するよりも新規のプールを立てる方が利益に繋がる可能性が高く、複数プール運営による集中化を招く可能性が高まります。
IOGでは現状のADA価格を踏まえ、固定料金の引き下げについても議論しているようです。

この①と②が両輪で動かない限り、緩やかに集中化へ進んでいく懸念があると言えるでしょう。
始めは「カルダノの分散化に貢献しよう!」と励んでいたプールも、委任量の増大とともに「リワードと努力のバランス」が保てなくなり、複数プールの設置を決断するに至る場合が増えています。
もちろん、熱心なプールであればあるほど、「自分を信頼してくれた委任者の期待に答えたい」という思いも強いはずです。

「マージン1%以下」が分散化に与える影響

現在のカルダノのステークプール事情には、①と②に関する2つの問題点があります。

【マクロ視点】過剰な複数プールの運営は分散化を阻害している。
【ミクロ視点】分散化に貢献した場合のメリットが乏しく、運営者が疲弊している。

現状での解決策として考えられるのは「低マージン文化からの脱却」が1つあげられるかもしれません。
上記で紹介した「1PCT」は、「マージン:5%」が主流だったテストネットで彗星のように現れ、多くの委任者を獲得しました。
しかし、1PCTという制限を自ら作ったためにマージンによる収益があがらず、大量プール運営へと舵を切った結果、32プールの同時運営へと発展したと考えられます。

下の表は、pooltoolで見た、「1PCT3」のリワードです。

エポック ブロック 委任量 委任者報酬 プール料金(固定費+マージン) ROS
257 46 40.7m 34.0k 683.0 6.29%
256 37 40.4m 27.7k 619.0 5.13%
255 31 39.7m 24.5k 587.0 4.60%

ROSの中央値は大体5.3%付近とすると、上の表のエポック257のマージンである「₳619」が、委任量40M付近でのプール料金です。これを見ると、固定費+マージンの料金が「固定費340×2=₳680」より下回っていることがわかります。

一方で、委任量がおよそ18Mの「1PCT9」をpooltoolで見ると、次のようになります。

エポック ブロック 委任量 委任者報酬 プール料金(固定費+マージン) ROS
257 17 18.8m 12.4k 464.0 4.90%
256 21 18.9m 15.6k 497.0 6.21%
255 14 17.7m 10.9k 449.0 4.58%

委任量が18Mのときのプール料金はおよそ₳470ラインです。つまり「マージン1%」の場合、

委任量40M→プール料金 約₳619
委任量18M→プール料金 約₳475

つまり、委任を飽和点まで集めるより、委任量18Mのプールを2つ作る方が利益率が高いと言えます。
ホルダーの多くが低マージンのプールを好む傾向を鑑みると、複数プール運営が選択肢として優先されるのは自然な流れと考えられます。

マージン設定と委任募集の最適解は?

では、「分散化とプール運営の努力対効果」の両方を満たす方法はあるのでしょうか?

ものすごくシンプルに言えば、「マージンを高めに設定する」ことで、プールを2つに分けるよりも収益性が高まり、結果的に複数プール運営を抑制することができると考えられます。

先ほどの「1PCT」プールでの委任量について、より分解して考えてみましょう。(シンプル化のためランダム要素を排除してざっくり計算しています)

複数運営を防ぐためのマージン設定は?

【委任量40M】→プール料金 約₳619→固定費₳340+マージン₳279
【委任量18M】→プール料金 約₳475→固定費₳340+マージン₳135

18Mのプール2つを運営する場合、プール料金は 約₳950
と考えると、40Mでのマージン料金Mは、次の計算式で考えることができます。

₳279×M+₳340 ≧ ₳950
M ≧ 2.18

ざっくりとした計算ですが、40M付近でマージン2.18%以上とすることで、18Mプールを2つ作る場合と同等以上のプール料金となると言えそうです。

マージン設定変更の難しさ

しかし、「分散化のために、最低マージンを2%以上にしよう!」というのが早計なのは言うまでもありません。
CoffeePoolも0.8%で運営していますが、小さなプールの場合、エポック内でブロック生成が0の場合もあるため「固定費+2%」は委任者に対して大きな負担となります。
また、小さなプールは低マージンに設定することで委任者への訴求に繋がります。

委任者への配慮、分散化、努力対効果という3つの要素のバランスをとった運営を考えたとき、現状から考えられる折衷案は「段階的なマージン設定」かもしれません。

段階的なマージン設定とは?

CoffeePoolでは、複数プールとマージン」の反響をきっかけに、下記の累進マージン制での運営を行いたいと思います。(2021/5/28追記)

【委任量による累進マージン制】
10M以下 →0%
10M〜20M →0.8%
20M〜30M →1.08%
30M〜40M →1.54%
40M〜50M →2.16%
50M〜 3%(状況次第で複数)

50M以降を高めにする理由は、

・複数プールの設置メリットを相殺する
・委任者の分散を促す

という狙いがあるためです。さらに許容ができなくなった場合の解決措置として、複数プールへの移行を検討する、という方針です。

・20Mプール
・10Mプール×2

は「ブロック生成数」の観点で大きな差がありません。2つのプール合計が62Mに満たない場合、分散化を阻害しないと考えられます。
(固定費分が余計にプロトコルに発生するデメリットはあります)
そのため、複数プールの設置をした場合は、さらにマージンを高めて委任の分散を促進する、という方向性も合わせて検討します。
50M移行で複数プールを設置する場合、最初から3%での運営を行う方針が良い気がしています。
現状のデータから換算すると、1ブロックあたりの報酬は約₳725で、

50Mの委任がある場合
生成数の中央値は50個程度
1エポックの報酬中央値は約₳36250
→固定費を引くと₳35910

プール3つ分の固定費が₳1020で、これはマージンが2.84%のときに同等になります。
この数値を元に、上記の累進制を設定させていただます。

皆さんからのご意見も募集します!

以上が、「プールの複数運営についてどう思うか」と聞かれた場合に、CoffeePoolがお答えする回答となります。
(DMだと文字量が多くなりすぎるので、記事という形で掲載させていただきました)

CoffeePoolは委任者の方の資産増大、分散化、そして今後のプール運営について検討を重ねています。
マージンや複数運営に関しまして、皆さんのご意見がございましたらぜひお聞かせください!

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トレードしないでADA(カルダノ)を増やす方法

カルダノ(ADA)価格がついに50円を超え、本格的な上げ相場の兆しが見えてきました。
前回投稿した「カルダノが5分でわかる記事」も、価格上昇に合わせて多くの方に読んでいただいています。

しかし、せっかく買ったADAですが、すぐに利確してBTCやUSDTに交換していませんか?
トレードをすることで多くの利益を生み出すことも可能ですが、価格が大きく動く相場の最中にトレードを行うのは、大きなリスクもともないます。
実は、カルダノのホルダーの約70%が、「ステーキング」という「トレードをしないでADAを増やせる方法」で、着実に資産を増やしています。このステーキングこそ、現時点でカルダノの価格の大きな下支えになっていると言えます。
本稿では、トレードをしないでADAを増やすための「ステーキング」について紹介します。

年利5%が得られる、カルダノの「ステーキング」

カルダノの場合は、「ステーキング」を行うことで年間にして約5%分のADAを利息て受け取れるシステムで運営されています。
例えば、1万ADAをステーキングすれば、ADAを持っているだけで500ADAを受け取ることができます。
その仕組みをわかりやすくまとめると、次のようになります。

カルダノのステーキングまとめ
①取引所などでADAを購入する。
②カルダノの公式ウォレットアプリにADAを送金する。
ダイダロスウォレットヨロイウォレット
③ウォレットアプリの「委任(delegation)」から「ステークプール」を選ぶ。
④選んだプールに資金を「委任する(delegate)」。
以上のフローを行うことで、リスクの高いトレーディングをすることなく、委任から3エポック後(約15日後)に、委任量に応じてADAによる報酬を得ることができます(その後は5日ごとに報酬が得られます)。
銀行に預けているような感覚で、年間5%程度の「利息」が得られるのが「ステーキング」の魅力です。

どうして「ステーキング」で利息がもらえるの?

実は、カルダノのステーキングで得られるADAは「利息」ではなく「リワード(報酬)」と呼ばれます。
これは、ステーキングプールに「委任」を行うことで、一般のホルダーもブロックチェーンの運営者になれるからです。
そもそも「ステーキング」とは、英語の「stake(出資)」が元々の言葉です。あるプロジェクトに出資するなど利害関係がある人や企業を「ステークホルダー(stake holder)と言ったりします。
カルダノの場合、各ステーキングプールがホルダーの信任を得て、代理でブロックチェーンを作成するという考え方で運営されています。ステーキングプールは「ADAの委任量に応じた回数、ブロックの作成権を得られる」ため、一般ホルダーの方から委任されたADA量が多いほど、リワードを多くもらえます。
そのため、カルダノのブロックチェーンは、プール運営者だけでなく、ホルダーの皆さんの役割も大きいと言えます。ADAを所有して信頼できるステーキングプールに「委任」をすることで、健全なブロック作成に貢献し、ホルダーの皆さんもリワードを受け取ることができます。

カルダノのステーキングQ&A

 Q1:ステーキングをするには、ADAはいくら必要なの?  A1:委任をするために、約0.17ADA程度の登録料が必要です。最低委任量は10ADAから。少額でのステーキングができます。

 Q2:プールにADAを送金するんですか?  A2:いいえ。カルダノのステーキングでは、ステーキングプールに1ADAも送金せず行うことができます。つまり、安全性の高いヨロイウォレットやダイダロスウォレットで資金を保管しながら、ステーキングを行うことができます。もちろんその間、そのアカウントのADAを使って売買することができます。
カルダノのステーキングでは、「1ADA」=「1投票権」というイメージがわかりやすいでしょう。皆さんの「得票数(ADA)」をステーキングプールに「委任」し、ブロック生成権を勝ち取ります。あくまで権利を委任するため、権利自体は常にホルダーのものです。

 Q3:ステーキングすると、定期預金のような「ロックアップ」があるのでは?  A3:ありません。ウォレットのADAは、いつでも自由に出し入れすることができます。カルダノでは、ブロック生成のスケジュールを5日ごとに「エポック」という単位で区切っています。委任したADA量の記録は2エポック前の記録で運営されているため、ADAを決済で使いながらステーキングを行うことが可能です。

 Q4:え? つまり、デメリットってないの?  A4:思いつきません(笑) 個人的には、ADAホルダーであればステーキングをしないと損だと思います(汗)
あえてデメリットをあげれば、「BTCなどに交換しようとしたときに一度取引所に送るのが面倒」というのがあげられます。それでも、送金は他の暗号資産よりずっと高速です。

 Q5:委任先は、どうやって選べばいいの?  A5:委任先は、ダイダロスウォレットやヨロイウォレットから選ぶことができます。
「賢いステーキングプールの選び方」は、次の記事でまとめています。
プール運営者が教える「ステーキングプールの選び方」

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プール運営者が教える「ステーキングプールの選び方」

[2021/2/12 アップデート版]

こんにちは! カルダノのステーキングプール「COFFE(Coffee Pool)」管理人です。
一介のADAホルダーだった私がステーキングプールを運営するようになり、ホルダー時代とはステーキングに関する考え方がガラリと変わりました。
私自身はステーキングプールを選ぶことはありませんが、「委任先の選び方がわからない」という方もまだまだ多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「(駆け出し)オペレーター目線で見た、委任先の選び方」を紹介したいと思います。

ホルダーが、委任をするときにやりがちなこと

オペレーターを初めて痛感したのが、イチホルダーだったときに「委任先の選び方がまったく分かっていなかった」ということです。
私の場合、ダイダロスウォレットで表示されるランキングを見て「マージンが低くて飽和してない、ランクが高いプール」を優先して選び、委任した後の1〜2エポック後の報酬を見て「このプールはちょっといまいちだから、次のプールにしよう」と、別のプールへ移動していました。
しかし、こういう選び方は完全に間違いでした(笑)
プール運営を開始して気づいたことですが、プールの運営状況はさまざまな要素で読み取ることができ、それを使うことで自分のスタイルにあったステーキングライフを楽しめるのです。

「ダイダロスランキングだけ」で決めるのはNG!


ダイダロスウォレットのランキングは、一見すると優秀なプールを簡単に選べる、役に立つ機能です。
しかし、実はこのランキングは、リワード報酬とは無関係に設定されており、これを参考にしてもリワードは増えません。また、上位のプールに委任が集中してすぐに飽和点に達してしまう傾向があるため、多くのプールオペレーターが「委任の集中を招いている」と問題視しています。

↑「大きな問題なのが、ダイダロスのランキングです。どうしても、100位のプールよりもランキングがトップのプールの方が心象が良くなってしまいます。1つのウォレットから複数の委任ができないことが、分散化の弊害になっています。(BEAVR)-COFFE和訳

ダイダロスウォレットを使って委任する際は、ランキングに拘らずに選わらずに、プール情報をしっかりと見極めることがROA(₳配当)を多くゲットするための秘訣です。

ブロック生成が多いからといって、配当が多いわけではない?

これは現在検証中ですが、大手プールに委任していたエポックより、【COFFE】で1ブロックを生成したエポックの方が配当率が上でした。
大きいプールだからといっても、必ずしも報酬が増えるとは限らないようです。

委任量が多く、飽和点から遠いプールを選ぶ

ステーキングプールを選ぶ際は、「そのプールが安定してブロックを生成しているか」は大きなポイントです。ここで気をつけたいのが「委任量が多いプールが、ブロック生成数が増える」という点です。
どんなにプログラミングの腕が良いオペレーターでも、委任量が少なく「LUCK(運)」を引けなければ、エポック内の生成数が「ゼロ」になってしまいます。
COFFEのような小さなプールにもチャンスが巡ってきましたが、小さいプールは「LUCK(運)」の要素に大きく左右され、生成のチャンスは安定しません。やはり、委任量が大きければ大きいほど、LUCKに大きく左右されずにコンスタントにブロック生成ができます。
委任プールを選ぶ場合は、委任量が多いプールを優先することで、安定したステーキング報酬が得られることは間違いありません。
一方で、カルダノでは1つのプールに委任量が集中することを防ぐため、Saturation(飽和点)が設定されています。委任ADAの量が増えすぎ、飽和点を超えてしまうと報酬が激減してしまいます。
そうなってしまうと利益が大きく損なわれるので、「委任量が多すぎるプール」も委任候補から排除する必要があります。
結論としては「委任量が多く、飽和点から遠いプール」を選ぶことが基本方針となります。

オペレーターがオススメする「委任プールの選び方」

しかし、単純に「委任量が多く、飽和点から遠いプール」という見方だけでは、なかなか適切にプールを絞ることはできません。
プール選びの大きなポイントとしては、プール情報サイト「adapools.org」や「pooltool.io」などのデータが大きな参考になります。
プールオペレーターであればこの2つのサイトを必ず毎日確認していますが、一般ホルダーの方にはまだまだ認知されていないのではないでしょうか。
(特に、pooltoolは、日本円での税金計算が一発でできるので要チェックです!!!)
しかし、本サイトに掲載されている情報は専門用語が多く、一般ホルダーの方にはちょっとわかりづらいので、各指標の読み方を紹介します(下記はadapoolの指標)。

・Saturation (飽和点): 委任量の飽和点までの割合。飽和点に達する(100%になる)と、すべての委任者への配当が大きく減少します。
・ROA(M): Return Of Ada。月間成績から見た「配当割合」。数値は年間利回りに計算し直しており「ここ1ヶ月でのパフォーマンスが続いた場合の年間の利回り」を意味します。
・ROA Lifetime: このプールの全データから算出した年間利回り。基本的にこの値が高いプールが狙い目です。
・Live Stake: 現状での委任ADA総量。委任されたADAは即座にそのエポックに影響を与えるわけではありません。そのため、将来的に有効になる委任ADAの総量を意味します。
・Active Stake: 現在のエポックで有効となる委任ADA量。現行のエポックでは、この値を基準にしてブロックリーダーが割り振られていることを意味します。(LiveよりActiveが多い=委任が減っている、Liveの方がActiveより多い=委任が増えている)
・Estimated Blocks in Whole Epoch: 各エポックでの予想ブロック生成数。各エポックで最低1個は生成しないと報酬が得られないため、確実に報酬を得たい場合は、基本的に2個以上のプールを選ぶとギャンブル要素が少ないプールです。
・Block Trend: 直近のブロック生成実績です。できるだけ安定して生成している方が、今後の運営も期待できると考えられます。
・Lifetime Blocks: このプールがこれまで生成したブロック数です。多ければ多いほど、経験豊富なプールだと言えます。

委任先を簡単に決めるなら、ROAと委任量がカギ!


「ちょっと数値が多すぎてむずかしい!」という方のために、手っ取り早く選べる方法を紹介します。
上のデータにある「BPE(各エポックでのブロック生成数)」と「Stake(ステーキング量)」の関係を見てみましょう。
このデータからは、大まかにいって委任量が数百万ADA以上のプールであれば、各エポックで1〜2ブロックを生成しているということが見て取れます。
また、当プール「Coffee Pool」では2021年2月6日現在、270万ADAの委任をいただいていますが、Adapoolsの「各エポックの予測ブロック生成量」で1個以上が88%となっています。

この数値から、250万ADA以上程度の委任があれば、比較的安定してブロック生成ができるのではと分析しています。
また、「ROA/Lifetime(最新のROA/これまでのROA)」では、そのプールに委任した場合の年利を見ることができます。この値が高ければ、委任量やブロック生成数を見なくても、短期目線での利回りが良いプールだと判断できます。
一見すると、大きいプールに委任したくなるのが心情ですが、小さなプールには「飽和点までかなりの余裕がある」というメリットもあります。
ついついROAが高ければ良い、と結論を出したくなりますが、なかなかそうとは言い切れないようです。ROAについて、もう少し検証してみました。

ROAの計算方法の考え方は?(2021/2/12追記)

ステークプールの運営経験を重ねながら、他のプールなどのデータを分析したところ、ROAにおける1つの仮説が浮き彫りになりました。
各ステークプールの運営データから、ROAの計算式について分析したところ、次のようなことがわかりました。

ROAの(ざっくりとした)計算方式
①LUCK=各エポックのブロック生成数÷予測ブロック生成数
②ROA=約5.35×LUCK

長期的には、大体ROA=5.35の範囲におさまる?

これをわかりやすくするために、次のプールの実績データを見てみます。

【あるプールのブロック生成数とROAの実績】
次の表は、あるプールのROAのデータから、基準点となる「係数X」を割り出したものです。

エポック

ROA

生成数/予測生成数

LUCK

係数X

245

4.419%

17 / 20.4

83%

5.324%

244

5.595%

20 / 18.9

106%

5.278%

243

5.766%

20 / 18.5

108%

5.339%

242

6.454%

22 / 18.3

120%

5.378%

241

6.04%

20 / 17.8

112%

5.393%

このデータは、プール情報サイト「adapools.org」で確認することができますが、ROAは「予測生成数を基準に、どれだけ多く(少なく)生成したか」で決まるということが言えるようです。
つまり、上の表でエポック245では、

LUCK=ブロック生成数÷予測生成数=17/20.4=83%

ここで、LUCKがROAと何かしらの関係があると仮定すると、

ROA(4.419)=LUCK(83%)×係数X

という仮定ができます。
つまり、

係数X=0.83÷4.419=5.324

という仮定が成り立ちます。

この計算式をもとに、各エポックでの係数Xを計算すると、上の表のようになります。
この平均値をとると、係数Xの平均が5.34程度になります。

他のプールのデータをいくつか取りましたが、ざっくりと係数はこの辺りにまとまるようでした。
マージンなどの関係性などを含める必要性があると思われますが、正確かはまだ検証中ですが、「5.34あたりの係数を基準に、ブロック生成数と予測生成数の割合(LUCK)でROAが決まる」ということは言えそうです。

長期目線だと、実はROAは変わらない?(2021/2/12追記)

このROAの計算式から何がわかるかというと、「長期目線だと、ROAは大体同程度に落ち着く」と考えることができそうです。

・小さいプールの場合
ブロック生成数=2、予測生成数=3の場合、LUCKは67%、ROAは3.5 となり、一見大幅に落ちてしまいます。しかし、
ブロック生成数=4、予測生成数=3であれば、LUCKは133%、ROAは7.11 となります。
ここでのROAの平均値は5.30 で、おおよその基準である係数X(5.34)に近い値になります。
(係数の値は、マージンや固定費で上下する可能性あり)
このようにして考えると、大きいプールでも小さいプールでも最終的な年利は近い値になる、ということができるかもしれません。

保有量に合わせて「委任戦略」を考えよう!

ROAの検証では「長期的には同程度のROAに落ち着く」という可能性を紹介しました。
では、ROAをどのように活用するかというと「継続的に一定期間、健康に運営しているか」ということをみることができます。
プールを運営してみるとわかりますが、ブロック生成数は「ステーク量に応じてランダムに割り振られる」ため、プール運営側の努力があまり反映されません。つまり、プール運営者の頑張りにかかわらず、そのエポックでの実際の生成数は増えたり減ったりします。(運営者のミスで生成のタイミングを逸してしまったりすることはあります)
そのため、どうしても各エポックでROAは増えたり減ったりします。
ROAから何が言えるかというと、「長期間しっかり運営していれば、ROAが係数に近づいて安定してくる」ということができそうです。
つまり、極端に高いプールは、
・設立してからまだ2、3ヶ月以内の新しいプール
極端に低いROAのプールは、
・飽和状態で利率が悪いプール
・まともに稼働していないためROAが低いプール
・マージンが高い?
という見方ができるかもしれません。いくらROAが高く手数料が多いプールでも、飽和点に達してしまえば報酬はグッと下がります。
これらを想定に入れながら、どのような委任先を選べば良いかを考えてみましょう。
もちろん、あなたの保有量や投資スタイルによって、ステーキングのプランも変わります。

「自信の保有量」に合わせた委任先の選び方

 ・1〜数万ADA単位のホルダー  比較的自由に委任先を選べる保有量です。飽和直前のプールでなければ、自分の委任によってプールが飽和点に達するリスクはほぼありません。長期目線で言えば飽和率90%のプールは避けるべきですが、飽和直前のプールでなければどのプールに委任しても安定した報酬が得られるでしょう。

 ・数十万ADA単位のホルダー  委任によって飽和点に達するようなリスクは少ないものの、短期的には80%に近いプール、長期的には60%以上のプールは避けた方が懸命です。小さなプールであれば委任によってブロック生成に影響を与えることができるため、短期的にも安定した報酬が得られそうです。100万以下のプールに委任すれば、大きな支援効果があります。

 ・100万〜200万ADA単位のホルダー  委任によって将来的に飽和点に達するリスクが比較的高くなるため、60%以上のプールは避けましょう。小さなプールに対しては、委任することでブロック生成が劇的に向上するため、100万以下のプールであっても「0ブロック」のリスクが大幅に減少し短期的な報酬量も安定します。

 ・300万ADA以上のホルダー  委任によって飽和点に近づくので大きいプールへの委任には注意が必要です。また、1人でも安定したブロック数の支援が可能になるため₳10M以下の小さなプールでも短期報酬が安定します。真面目に活動しているプールであれば、指標を気にせず委任しても長期的に安定したステーキングができるでしょう。

やっぱり、「長期的な信頼」がポイント

以上のことから考えると、やはり
長期的にしっかり運営してくれるか
が大きなポイントだということができそうです。
ステーキングを始めたばかりのときは、どうしても短期的なROAにこだわり、「ダイダロスの上位プール」や「ROAがやたらと大きいプール」に委任しがちかもしれません。しかし、長期的にみると、次のようなことが言えそうです。
・ダイダロス上位→人気集中で飽和点に達する(報酬が減る)
・ROAがやたらと高い→最終的には係数5.3付近に落ち着く
そのため、最終的には「数字ではなく信頼性」が重要だということができそうです。
ステーキングプールを選ぶ際は、次のような点を基準にするのが良さそうです。

・応援したいと思えるプールか。
・長期にわたってステーキングプールを安定稼働してくれるか。
・どんな相場でも折れない信念を感じるか。
・情報発信をしっかりしているか。
・飽和点に近づいたらアラートをしてくれるか。
・マージンが適切か。

取引所に預けているだけでは、Cardano(カルダノ)に秘められた「楽しさ」を味わうことができません。
どんどん委任先を開拓し、熱いステーキングライフをお過ごしください!

委任のご協力をお願いします🙇‍♂️
●本稿はカルダノステークプール「Coffee Pool」が作成しました。
COFFEの活動を応援いただける方はぜひ、COFFEへの委任をいただけたらと思います!
NAME:CoffeePool☕️
Ticker:COFFE
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