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【超訳チャールズ・ホスキンソン(10)】カルダノが最強のブロックチェーンである理由

2021/02/17 に公開された、「David Lee Investing」のデヴィッド・リー氏による、チャールズ・ホスキンソン氏のインタビュー「ビットコインの未来」を翻訳しました。(非常に濃い内容のため、連載記事として翻訳を進めていきます  第9回はこちら

――なぜカルダノは他のブロックチェーンよりもdApps開発で優れていると言えるのですか?

例えばコンセンサスは素晴らしいマーケターで、彼らはイーサリアムが不可避なものだと強く人に勧めていますが、Solidity(イーサリアムの開発言語)の開発者は8000人足らずです。世界中にシステム開発者は2260万人いると言われている中で、です。
つまり、イーサリアムがネットワーク効果を十分に持つと言うわけでもありません。
dApps市場の資料によれば、2020年は31%のdAppsがイーサリアムベースで、残りは他のプラットフォームで開発されました。実際にイーサリアムは開発者サイドからのネットワーク効果を失っており、これはオープン・ゲームです。

おかしな話で、この業界の人々はビジネスがどのようにして成り立つのかわかっていません。
例えば、ナイトクラブのオーナーが、お店に多くの男たちを呼びたいとしたら、そのクラブにセクシーな女の子がたくさんいることをアピールしなくてはいけません(笑)
そうすればお店は男たちで溢れ返りますよね。言うまでもありません。

つまりアプリケーションを作るとしたら、そこに価値があり、お客さんがたくさん来る、ということを伝えなくてはいけないのです。

私たちがアフリカで何をしているかというと、何百万人もの人に対する取引を創出しているわけです。

DeFiでは、誰が最も重要な顧客だと思いますか? ニュージャージーの放棄された農場にいる、プロトコルに全く興味がない農夫でしょうか? それとも、すでに借金をしてそのプラットフォームに人生をかけている人でしょうか?
経済的アイデンティティのために24/7(休みなく毎日)を割いて開発を進めて膨大なDeFi顧客に対してコミットしたプラットフォームか、放棄された農場の農夫と、どちらで仕事をするかと言えば、そちら側で開発を行うでしょう。そちら側こそ、雑草のように成長し膨大な富をすぐに生み出すことができると思うからです。そのような視点ですね。

他の視点から言えば、常識的な感覚からです。EVM(イーサリアム・ヴァーチャルマシン)は、全くもって独占技術ではありません。SolidityコードやEVMコードをカルダノに導入するとしたら、問題なく稼働するでしょう。

私たちはこれを「島と海と沼」と読んでいます。つまりEVMは沼なんですよね。ヴィタリックが作った、クレイジーなカンブリア紀の沼でしかありません。

次に言えることは、私たちは証明された信頼性の高いアプリケーションを構築できる「プルータス」と言う美しいプログラミング言語を生み出しました。アプリケーションが失敗すれば、ユーザーは死に直面したり、膨大な資産が失われてしまいます。

だからこそ私たちはエンタープライズやフォーチュン500企業への導入について話を進めています。彼らは「最初の参入市場」について考えていません。なぜなら彼らにはすでに顧客がいるからです。

例えばマイクロソフトが失敗したら、その損害は、野生を冒険する企業とは比較にならないほど、莫大なものになります。そのため、大企業は「正しさ」に対して大きな関心を払います。そのシステムが暴走しないこと、誰も首にならないことを気にするのです。

そのため私たちは、フォーマルメソッドに則して証明された、信頼性の高いソフトウェアに重きを置いているのです。それこそが勝利への道だからです。私たちがこれまで行ってきたピアレビューや証明は、このような戦略に基づいて進めており、実際にフォーチュン500企業やエンタープライズへの導入に関しては、このメソッドはユニークでありとても大きなアピールポイントとなっています。

海については、Java、C言語、.NET、javascriptです。これらの3つだけで1000万人の開発者が存在します。これらに比べたらsolidityなどおもちゃのようなものです。
彼らのような開発者が自分たちのエコシステムを構築できる道筋を作り、彼らがすでに知っているプログラミング言語やツールで開発できるようにしてあげるのです。
私たちのパートナーには、ランタイム認証やそうした方法を作る仕組みを持つ、世界で最も優れた会社がいます。
じきに、このようなメインストリームのプログラミング言語をオフチェーン、オンチェーンのインフラに実装することができ、それによって素晴らしいアプリケーションが作れるようになるでしょう。

しかし一般的には、開発者側に立って考えてみると、私自身は戦略として「ACIDIC」と呼んでいます。
つまり開発者の獲得(Acquisition)、開発者とのコラボレーション(Collaboration)、開発者へのインセンティブ(Incentive)、アプリケーションの実装(Deployment)、アプリケーションの連携(Interaction)、アプリケーションのキュレーション(Curation)には、これら全てにおいて徹頭徹尾で真に優れたプラットフォームである必要があります。

多くの場合、開発者の獲得ばかりに話がいきがちですが、それはよりエコシステムの実態によるものが大きい話題です。
もし開発環境が劣悪であっても、正しいエコシステムであれば開発者は頑張って開発に励むからです。
その好例がニンテンドー(ファミコン)です。ファミコンのゲームを構築する場合は、任天堂独自の設計コードを書かなくてはいけませんでした。それは世界で最もひどい経験でしたが、みんな頑張って開発を行いました。なぜならファミコン市場に消費者がいたからです。

そのため、多くの開発者は(顧客さえいれば)痛みに耐えることができるものなのです。もちろん、私たちの場合は全く逆でそのようなことはなく、よく冷えたお水を出すようなことをしていますが、開発者の獲得というのは、そういうものです。

コラボレーションというのは、彼らと何をするかという問題です。静的、動的の2種類があり、静的コラボレーションとは「ここにチュートリアルがあります。ここにドキュメントがあります。グッドラック!」というもので、動的コラボレーションというのは「ここにQ&Aがあります。なんでも質問していただければお答えします。プルリクエストを読んでお手伝いします」というものです。アプリケーションを共同開発したり、一部を私たちで構築したりします。

また、プラットフォームが何を提供するか、というポイントもあります。
もしカルダノでトークンを発布したいとすれば、それはADAと同様に扱われます。ある時点から、トークンによって取引手数料が支払われるようになります。イーサリアムでそのようなことは可能ですか?それはありません。絶対に不可能です。しかし、私たちのネイティブアセットはそのような仕組みとなります。
次に、投票システムです。投票システムでも、ネイティブアセットを再利用することができます。なぜならネイティブアセットは、あなたのシステムで投票する際にADAと同じように扱われるからです。
例えば、あなたのメイカーDAOが、去年の3月におきたショートスクイズ(相場の急上昇)に関して集団訴訟を受けたとしましょう。どうしたら訴訟に決着をつけられるかと慌てふためくのではなく、私たちのガバナンスシステムを活用してみてはいかがでしょうか? 投票システムを独自に構築する必要はありません。DAOを構築する方法を探す必要もありません。なぜならカルダノネットワークが提供できるからです。ハレルーヤ!
そこでレギュレーションを作る必要があり、アイデンティティが必要となります。KYC、AMLといったものが必要となりますが、私たちのPRISMがあれば、あなたたちのトランザクションやアプリケーションにこれらを埋め込むことができるのです。
このようなことがより簡単に可能となるのです。これが規制の事実や法令遵守というものです。

インセンティブについては、200Mドルが今年の投資用予算として組み込まれており、これはベンチャーキャピタルによる中央集権的なものですが、あなた自身が投票でき、コミュニティも投票し、私たちはすでに25万ドルを配布しており、次のFund3では100万ドルが集まっており、すでに開始しています(2月17日時点)。

つまりそこには資金が集まっており、アプリケーション開発やインターリアクション、コラボレーションなどが進んでおり、さらに私たちはAppストアも構築中です。今後はアプリケーションの実装が容易にできる環境づくりを進め、ワンクリックでアプリケーションをインストールできるようになります。

これは非常に分かりやすいもので、ロケット技術ではありません。
アップルもAndroidもマイクロソフトも全く同じことを行なっています。インターネットの世界は30年以上の歴史があり、ソフトウェア業界の歴史は50年にも及び、私たちがしたいことの答えはその中に詰まっています。

もちろん、開発者は非常に重要な役目を担いますが、そこにエコシステムがあり、そのエコシステムが成長し顧客を集めるという確信があるのです。

iPhoneが開発された時のことを思い出してみてください。当時は0%のマーケットシェアで、完全に人々から忘れてられていました。
「ウィンドウズが持つ30億人のネットワーク効果を超えるだって?バカじゃないの?」と笑われていたでしょう。
しかしiPhoneは、他の誰もができなかったことを成し遂げたのです。それが最終地点です。誰も構築できないプラットフォームを構築するということです。

カルダノは、ビルトインのガバナンス、アイデンティティ、ネイティブアセットスタンダードなど、競合の誰もができないことを成し遂げています。

そして私たちは、競合が絶対にリーチできないマーケットへ参入できています。
それこそがファーストウェイブを巻き起こす人々です。そして彼らの成功はセカンドウェイブを巻き起こす人々を生み出します。そして次々と新しい波が巻き起こるでしょう。

つまりこれはロケット工学ではなく、歴史家の仕事なのです。そしてエコシステムについて非常に注意深く学ぶことが大切なのです。

——続く

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【超訳チャールズ・ホスキンソン(09)】「未知の技術」に対する社会の目 

2021/02/17 に公開された、「David Lee Investing」のデヴィッド・リー氏による、チャールズ・ホスキンソン氏のインタビュー「ビットコインの未来」を翻訳しました。(非常に濃い内容のため、連載記事として翻訳を進めていきます  第8回はこちら


–カルダノのシステムが、経済的価値として世界中から多数の支持を受けられると思いますか? もし思うのであれば、いつそれが起きると思いますか?

まだ見ぬ出来事というのは、クレイジーに感じるものです。それはすでに、私たちの人生で何度も経験していることでもあります。
まず最初に思い浮かぶのはソフトウェア業界ではないでしょうか。ビル・ゲイツが両親に「ソフトウェア業界に行くからハーバードを辞める」と言ったとき、両親は「シューズでも売るのか?ソフトウェアとは何だ?」と聞き返したというような話があります。

「いやいや、ソフトウェアというのはコンピュータを動かすデジタルコードだよ」
「コンピュータとは何だ? 巨大な何かの装置か?」
「いやいや、どんどん小型化してパーソナルなものになるんだ。でも安心して、ソフトウェアというのは本気ですごいもので、みんなが現金をたくさん払うようになる。いくらでも複製ができて、いくらでも業界で希少性を作り出すことができるんだ。大丈夫だから」

当時の人が聞いたら、クレイジーな話です。今となっては、ソフトウェア業界はありふれていて、数え切れないほどの人々がこの業界で働いています。

では、「インターネットって何?」と聞かれたとしましょう。

「ああ、インターネットね。この業界で仕事をしているけれど、誰でも家にいながらインストールして利用することができて、世界中の人々が人生における貴重な膨大な時間をウェブブラウザというものに費やしたり、自由に膨大な量の情報を交換することができたり、商品を購入や投票といったことをオンラインでできるようになるんだよ」

と説明したところで、昔の人からすれば「完全にクレイジーだ」といった反応をされるでしょう。

イーロン・マスクは、94年(95年?)に弟と一緒に「Zip2」(オンラインコンテンツ出版ソフトを提供する企業)を起業しました。
そんなマスクの下に、ある男がやってきて「お前らは、電話帳の代わりを売っているそうじゃないか!」と問い詰められ、「まあ、そうだよ」と答えたところ「出て行け!バカども!」と怒鳴られた、というエピソードがあるそうです。
(訳注:Zip2は後にコンパック社が買収し、マスクは約25億円を手にする)

いかがですか? 今だからこそこのような話はあり得ないと思うかもしれませんが、インターネットについて話をしている90年代の動画を、Youtubeで小一時間ほど見てみてください。
彼らがとても可笑しい人たちのように感じると思います。しかし、その当時は私たち誰もが、全く同じよな考え方をしていたのです。

極め付けは携帯電話です。

「ケータイ? ああ、みんながコンピュータをポケットの中に入れていて、常にネットと繋がっているんだよ。今やどんなビジネスも、顧客勢員がこのケータイを持っていることを前提に行われているんだ」

2007年以前は、このようなスマートフォンの可能性を想像できた人などいませんでした。人間は10年20年といった期間でさらに新しいものを再発明しているのです。

発明というのは多くの場合、ラッキーだったり必要性から生まれるものですが、インターネットのケースとしてはソ連崩壊だったり、ムーアの法則の例として、パーソナルコンピュータ産業に使われるセミコンダクタ用の介入トランジスタがよく言われています。
暗号通貨の場合は「金融機関に対する信頼の喪失」がそれです。
ビットコインのジェネシスブロック(Block Height 0)に「財務大臣が救済措置」と記されていることからも見て取れます。
(訳注:ビットコインのファーストブロックには、イギリス有力紙「Times」の2009/1/3の見出し「Chancellor on brink of sedcond bailout for banks(財務大臣、2度目の銀行救済措置まであとわずか)」という記載がある)

今日の世界でも、新型コロナウィルスが世界中に蔓延したことによるグレート・リセットが起きています。世界中の誰もが、「このようなことは起きるべきではなかった。コロナによって世界が大打撃を受けた」と考えています。
何百万人もの人が飢餓によって死に直面し、実際に死亡した人も何百万人にも及び、誰1人として正常に行動を取ることができませんでした。グレート・リセットがどのような意味であれ、起きてしまったらそれは全く新しいシステムへ移行するための起爆剤となります。

誰かがやってきて「世界の仕組みについて、もっと話すことがあるんじゃないか」と聞けば、「政府を信用する必要はないかもしれない。より良いサービスがあればもっと人を雇うことができて失業者が減るんじゃないか」と言った会話が生まれます。このようなことで人々が熱狂すれば、それが起爆剤となるのです。

そこで私は、このような大災害の最中にいる場所にその根を先に取りに行こうと考えたのです。
そのため発展途上国は明らかに目を向けるべき場所でした。経済危機に陥れば、まず先に飢餓が生まれるからです。

現在は情報が瞬時に流れる時代で、このような災害が起きれば指導者は即座に退陣に追い込まれます。そこで新しいリーダーは何かを変える必要があります。そこで何かを変えるしかないのですが、通常のやり方でうまく行かなくなれば、クレイジーなアイデアに頼るほかありません。そのうちのひとつが、ブロックチェーンなどだったりするのです。
もしそれが成功すれば、その時はその国は非常に豊かになります。それを見た西側の企業は「やられた!我々も適応しなくては。さもなければ彼らに昼食を奪われてしまう」と慌てふためくでしょう。

そこからロビー活動に励み、新しいシステムと連動した法律や社会に変えるために動かなくては行けません。

インターネットに関して言えば、例えば「インターネットは無視するべきものではない。オンラインでのビジネスの方法を考えるべきだ」と言って、ニューヨークタイムズなどはうまく対応し、ロッキーマウンテンニュースはできませんでした。現在、ニューヨークタイムズはビジネスを継続されており、ロッキーマウンテンニュースは撤退しています。

——続く

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【超訳チャールズ・ホスキンソン(08)】「経済的アイデンティティ」と「経済的価値」

2021/02/17 に公開された、「David Lee Investing」のデヴィッド・リー氏による、チャールズ・ホスキンソン氏のインタビュー「ビットコインの未来」を翻訳しました。(非常に濃い内容のため、連載記事として翻訳を進めていきます  第7回はこちら

 

――カルダノはどのようにして第2世代と向き合うのか? なぜ、分散化システムによって、個人が自分のアイデンティティの価値や運用を行う必要があるのか?

いい質問ですね。経済的アイデンティティは、誰かがやらなくては手に入らないものです。これは水と同じようなもので、経済的アイデンティティは、持つことができなければ死んでしまうくらい必要なものです。
アメリカのように先進国で生まれ育った人にはあまりわからないことですが、私たちの場合は、パスポートや運転免許証、ソーシャルセキュリティナンバー(日本でいうマイナンバー)や銀行口座、保険やローンなどが必要であれば、簡単に手に入れることができます。
これらを手に入れる権利を突然奪われてしまったら、「どうしたらいいんだ!」と大騒ぎをすることになるでしょう。どんなに素晴らしいビジネスアイデアがあったとしても、資金集めをすることができません。
私たちの国では「都市で仕事をするために車が欲しい、5-10年ローンでお金を貸してくれたら利子をつけて返すよ」と言えば、お互いの利益が合えば契約をすることができます。
経済的アイデンティティがなくては、こういったこともできなくなるのです。

アフリカでは、農業を機械化することで大きな発展をすることが可能ですが、どこに行っても農業用機械や農薬を購入できるような場所はありません。経済的アイデンティティがないためです。
このような状況はグローバリゼーションによって悪化していると言えます。現在は、カウンターパーティリスクによって、私たちの経済圏でビジネスができないだけではなく、グローバルにビジネスができなくなってしまうからです。
例えば、グローバルなビジネスの場面では、このような会話よく起こります。
A「私がプログラマーとして働きたいです」
B「いいですね! では、資格を見せてください」
A「セネガルの大学に行っていました」
B「うーん、そこっていい大学なのかわからないなぁ。じゃあ履歴書を出してください」
A「地元のAという会社で働いていました」と
B「うーん、そんな会社知らないなあ。この人を雇えばいいかどうかわからない」
といった問題が起きてしまいます。
また、グローバル市場では、給料を払う際にも問題が起きます。
国境を越えた従業員の給料の給料の15~30%に相当する金額が、国際送金で失われてしまうという問題も起きているのです。

これがこの地域の現実です。このような状況でビジネスができるでしょうか?もしお金が得られたとしても、戦争が起きてしまったら?気候変動が起きたら?大災害が起こったら?
彼らには保険すらありません。ちょっとした臨時収入があったとしても、すぐに消費されて残りません。
よいガバナンス、よいシステム、よい機関は、平均値を守ることが役割です。貧しい人を向上させ、裕福層から人々のために一定額を収めてもらいます。これが波の満ち潮のような効果を生み出します。

「経済的なアイデンティティを持てない」という状況は、その人が属するシステムがそれを提供しないことが原因です。
このような方程式の解を私なりに考えた結論は、「経済的アイデンティティは、必ずしも政府が提供する必要がない。マーケットが与えることができる」ということです。

例えば、これまで私たちは、中央政府が私たち自身のアイデンティティを提供してもらっていましたが、なぜ政府がパスポートを与える必要があるのでしょうか?
なぜエキファックス(アメリカの信用情報企業)がクレジットカードの認証を行う必要があるのでしょうか?
私自身が、自分自身のアイデンティティをコントロールできる仕組みを作って、それを有機的につなげ、それを他のシステムの人々への証明手段として使うことができるのではないでしょうか?
あなたが信用形成を行い、それを自分自身で管理することで、これらの問題を全て封じ込めることができるはずです。それこそが経済的アイデンティティであるはずです。

次に、経済的価値の話をしましょう。
なぜ、銀行だけがあなたの経済的価値をコントロールする権利があるのでしょうか。
地域政府に反対意見を述べた瞬間、銀行はボタン一押しするだけで銀行口座が凍結され、あなたは資産へのアクセス手段を失ってしまいます。
アメリカ政府が、誰かを逮捕した際に一番始めに何をするかというと、それがホワイトカラー(知的)犯罪だった場合、まず銀行口座を凍結します。お金持ちだったとしても、その瞬間に自己資産へのアクセス方法が絶たれてしまうのです。それでも、自分の権利を守るために政府と戦わなくてはいけません。
どのような人物であれ、そのようなことが起きます。中国のジャック・マー(アリババの創始者)を考えてみてください。彼は中国で最も裕福で力を持った人物の1人でしたが、共産国家に対して批判的なことをした瞬間、「3ヶ月ほどゴルフにでも行って消えてろ」と言われ、それに従って、そのまま死刑と同じような扱いになってしまいました。
オリガークス(ロシアの新興財閥)のように、プーチンの言いなりになっていれば素晴らしい生活ができますが、プーチンがお気に召さなくなれば、脱税した1500億ドルのムショ入り大富豪となってしまいます。
つまり、経済的アイデンティティは、「持つか持たないか」だけの問題ではなく、その価値を維持するための裏側のルールはどうなっているか、という問題も重視すべきです。

政治的な理由でそれを管理され、奪われるというのは、果たして平等だと言えるでしょうか?
ガバナンスとは、どのように意思決定をするかが全てです。
その点で言えば、企業にいたっては最悪です。例えば、CEOがイーロン・マスクやスティーブ・ジョブズのように素晴らしいヴィジョンを持ったリーダーの元で働ければ素晴らしいことだと思うでしょうが、ほとんどの人は愚か者CEOのために働いています。彼らの多くは、栄光の時代はとうの昔に過ぎ去ってしまったシステムのために働いているのです。HPの従業員やIBMの従業員などは寂しい思いをしているでしょう。私たちはこのようなことを散々経験しており、それが嫌になって企業する人は非常に多いです。

トップダウンではなく、ボトムアップで運営してみてはどうでしょうか?
CEOがない仕組みでは?
組合的な組織ではダメなのでしょうか?
優秀な人や実力のある人がトップになるような仕組みは? 誰かのコネや大株主などといった形ではなく。

カルダノの場合は、資金やアイデンティティ、ガバナンス投票システムなどは全て、全てプロトコルが管理します。
一般的にこうしたシステムの管理には膨大なコストがかかったり、国際間では通用しないものです。また、そのようなシステムは必ず「誰か」——「特定の企業」や「政府」が運営権限を持っています。

私たちは、これら全ての仕事をプロトコルで行おうとしています。ビットコインより、イーサリアムよりも多くのことを、可能な限り最低のコスト、平等なアクセス方法で行おうとしているのです。このようなシステム作りは「新しいエンジン」を生み出すことと同様に、非常に多くの新しいものを作り出さなくてはいけません。
そのために私たちはウロボロスや、PoSの仕組み、より分散化されたシステム、拡張UTXO、プルート、マーロウといった新しいシステムを次々と作り出しました。カタリストを使った全く新しい運営方式も創出しています。
ここまで来て、やっとスターティングポイントなのです。

正しいシステムを作ることができれば、これらは自分から発展していきます。
システムが、正しい革命的なファクターを持ち続ければ、それはビジョンに沿って自分で育っていきます。

どんなに貧しい人でもどのような場所に住んでいたとしても、このシステムにアクセスすることができれば、世界で最も裕福な人と同じ道具を使うことができるのです。

人類史上、このようなバリュープロポジション(価値提案)を与えるシステムは初めてのことです。

——続く

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【超訳チャールズ・ホスキンソン(07)】「知の分散化」こそ最強の開発力だ

2021/02/17 に公開された、「David Lee Investing」のデヴィッド・リー氏による、チャールズ・ホスキンソン氏のインタビュー「ビットコインの未来」を翻訳しました。(非常に濃い内容のため、連載記事として翻訳を進めていきます  第6回はこちら

――アカデミックなアプローチは非常に珍しい試みで、ピアレビュー論文の発表などはとてつもなく大きなハードルです。なぜそこまでアカデミックアプローチにこだわるのですか?

学会には、世界中の優れた人たちが集まっているからです。
ダメな人というのは奥深い知見を無視する専門家ですが、優秀な人たちは奥深い知見を探る専門家です。
もし優れた人たちを集めたいと思ったら、同じくらい優秀な人たちによってチェック&バランスがなされた環境が必要です。そうでなければ、本当に100%確かなことをやっているのか判断ができなくなります。

ピアレビューのプロセスは400年以上の歴史があります。その一方でコンピュータ工学はその中でも最も新しい分野です。物理学は非常に途方もなく長い歴史があり、生物学もまた非常に長い歴史があります。数学にいたっては5000年もの歴史があります。
それらに比べ、コンピュータ工学は20世紀に始まったばかりの分野です。この分野のピアレビューは「カンファレンス式」で、通常の学会のような「ジャーナル形式」ではありません。通常なら何年もかかるプロセスを、数週間か数ヶ月で行うような世界です。そのため、ピアレビュープロセスを踏んだとしても開発が大きく遅れるということはありません。通過地点と考えれば素晴らしい機能を果たします。

もう1つの良い点としては、よく第三者に出会うと「カルダノが機能する保証はどこにあるのか?」とよく聞かれます。
暗号通貨プロジェクトの創始者はすべて基本的には非常に優秀な人々です。
しかし、彼らはホワイトペーパーを出して「コードをみて!考えてみて!面白いでしょ」と言うものの、コンピュータ工学の専門家でもなければ数学者でもありません。資料を読んでみたところで、そこには記号が羅列されているだけで99.9%の人は理解できません。
そのような状態で、どうしてシステムが機能するかを証明することができるでしょうか。彼らは、ただ単に「宿題をやり終えた」と思い込んでいる少年少女たちに過ぎないのです。
つまり、彼らの成し遂げたことは、単なる個人崇拝にすぎないのです。
皆さんはそのカルトのリーダーが、自分たちをスターリン帝国のような場所に連れて行ってくれると信じているのです。そのリーダーが素晴らしい独裁者であることを願ってね。

独裁者というのは、人1人が持てる以上の力を持ったとき、すべての人にとって最悪の結果をもたらします。
私たちにとって超大事なことは「チェック&バランス(抑制と均衡)」です。創始者だったとしても、このルールの上に立つべきではなく、それによって行動を抑制されるべきなのです。
何か主張をする場合は、必ずシステム外部の第三者、もしくは同等の力を持つ人物によって正しいかどうか確認されなくてはいけません。

もう1つ、ピアレビューを経るメリットは、学会と連携することで「知の分散化」が構築されることです
私たちの論文は900もの引用がなされたとお話ししましたが、つまり900もの研究者グループによって論文が読まれた、ということを意味します。彼らの研究と何かしらのつながりがあったという事実があります。「これどう思う?ウロボロスを作ってみたよ?」といった会話が、それらの研究所で行われているわけです。
スタンフォードの研究者では、これを元にした「ナカモト・PoS」をつくり、それはまさに私たちが解決しようとした問題で「先に出されちゃったよ!」と悔しい思いをしたのです。
しかしこの研究は今では一般化されているため、私たちはそれを無料で利用することができます。このモデルは、すでに私たち自身が開発しないで使うことができたのです。

そして学会では、ビジネス現場では絶対に話すことができないような人物に会うことができるという大きなメリットがあります。
例えば、RSA暗号を開発したアディ・シャミアはとてつもない超大富豪です。ビジネスの現場であれば、気軽に彼に電話をかけて「Hey、アディ、一緒に仕事しようよ」などということは、とてもじゃないけどできません。
しかし彼は非常に学会での活動に積極的で、学会に出れば簡単に話すことができるのです。
私自身、彼とパネルをやることだってできました。彼とPoSについて話すことができたのは、非常に貴重な経験でした。

つまり、「個人崇拝」ではなく「知の分散化」を行うことで、普通なら絶対に話すことができない人物と話すことができるのです。
学会は真の意味でユニバーサルです。大学は世界中にあり、エチオピアの大学も、韓国の大学も、学会なら呼ぶことができます。自分がビジネスをできない国でも、優秀な人物が存在し、人とも交流が持てるのです。そうした人々を読んで「この論文を読んでよ!」と話しかけることができ、そこで質問が飛び交うわけです。
まさに「リングワ・フランカ(世界共通言語)」の世界観です。

こうした交流は非常に大切なことです。なぜなら私たちが作り上げているプロトコルは「The Next Big Thing(次の大きなこと)」につながるからです。
彼らが今後、人生に関わる仕組みを作っていくのです。彼らによって、アイデンティティ、プライバシー、銀行口座、支払いシステム、投票システム、不動産譲渡システムなどが運用されていくのです。

いったいどこの誰が、どうしたら、そのような重要なシステムを、シリコンバレーで気まぐれに物を作っては壊す25歳の坊やに託すことができるのでしょうか?

イーサリアムは、私たちより1年先にPoSゲームを始めましたが、実際に稼働させたのはカルダノが先です。私たちはピアレビューを受けた後にも関わらずです。ポルカドットは、私たちがつくったウロボロスをエコシステムの基盤としています。
つまり私たちのライバルというのは、私たちのコピーだったり、私たちより「速い開発力」を謳いながらも開発力が遅いプロジェクトなのです。
私たちは固い基盤の構築に時間をかけましたが、彼らはレイヤーやプロトコルを何層にも積み重ねているだけに過ぎません。
私たちはバックエンドに巨大なホッケースティックを作り、それによって、より優れたプロトコルを作り上げました。そしてそれは国際的なものであり、個人のカルト企業ではありません。

もし本気で分散化に取り組むのであれば、長期戦略というのがたった1つの道であると思います。

——続く

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【超訳チャールズ・ホスキンソン(06)】「学術的アプローチ」の絶大なチカラ

2021/02/17 に公開された、「David Lee Investing」のデヴィッド・リー氏による、チャールズ・ホスキンソン氏のインタビュー「ビットコインの未来」を翻訳しました。(非常に濃い内容のため、連載記事として翻訳を進めていきます  第5回はこちら

――カルダノのプロジェクトでは、行動学やテクノロジーが融合しています。これは誰もができることではありません。こうしたアイデアはあなた自身のアイデアですか?

そんなことはありません。これはあらゆる分野の学問の融合です。例えば、サンタフェ機関という優れた研究チームは「Complex Adaptive System(複雑適応系)」という素晴らしい本を出されていて、「いかにシンプルルールで複雑なシステムを順応させられるか」というテーマを、30年以上にわたる歴史から読み解き、市場動向や砂丘の動き、投票システムなど、あらゆる素晴らしいシステムモデルが紹介されています。
つまり、一度大変な道を歩めば、そこには非常に多くの分析や研究があり、非常に多くの学びがあるのです。そしてそれは暗号通貨業界ではまったく未踏の領域なのです。

おそらく多くの関係者はそのような分野の研究が存在すること自体、知る由もないでしょう。

これらの研究はインスピレーションに満ちた、終わりのない冒険のようなものです。PhDを持つ研究者たちとたくさんの話をすれば、彼らが行ってきた実用的な実験をたくさん学び自分たちで動かしてみることもできます。私たちが大きく成長すればするほど、それが基礎資料となり、プロトコルの骨格となるのです。

私たちは「取引手数料のリバランス」「ステークプールの適正量」「セキュリティにどこまで気を使うべきか(利便性と安全性のバランス)」といったことなどを非常に深く研究を行いました。もちろん投票システムについてもです。

投票システムでは、「どのようにして合理的無知(Rational Ignorance)の問題を解決するべきか?」が課題となります。
「合理的無知」とは、ある知識を得ることと、それを得るための代償を考えたときに起こる問題です。
例えば、私はペルー料理の専門家になりたいと思ったとしましょう。ペルー料理の専門家になるには、何年にもわたってペルー料理を作り続ける必要があります。
そのため、私がペルーに対する強い関わりやパッションがなければ、非常に大変なことです。
つまり、ペルー料理の知識を得るための代償と、得られた知識の価値が釣り合っていなければいけません。
それが釣り合っていなければ、私はペルー料理に対して「合理的に無知」となります。

投票システムでも同じことが言えます。
投票に行く前に、社会保障や社会福祉、外交などさまざまなことを学ぶことは可能です。しかし、あなたの一票は「髪型が好きだから、あの人に投票する」というような連中と同じ一票です。それを考えたとき、なぜ福祉や社会保障、外交などに時間を費やす必要があるのか?と考えるようになり、合理的無知を行うことになるのです。
そこで、報酬形式のシステムを採用することによって、投票にそれぞれが意味を見出すことができるようになるのです。つまり、システムデザインというのは超重要で、それによって行動が変わるのです。

IOGにはオックスフォードのアルゴリズム・ゲーム理論の専門家であるElias Koutsoupiasがいますが、彼は毎日のように「人々はどのようにして自分がしたいことをするのか」「どのようなシステムが人を意図通りに行動させられるのか」といったことを研究しています。

——続く

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